"Ach! Hans, Run!"
タグ:Ach! Hans Run!, Card of the Day, MTGシングル, アンヒンジド, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2015/08/11
"Ach! Hans, Run!"
前回の《黄泉からの帰還者》と出会ったハンス。「えっ、またか」と少々落ち着いているというか達観している様子が窺える。かの《ルアゴイフ》から果たして逃げ切れたのか、彼の行く末は気になるところだ。マジックのメインストーリーの本筋に一切絡んでこないのに、これらのフレイバーで人気キャラであるハンス。かつてのマジック愛好家たちは、めちゃくちゃ大きいクリーチャーを戦場に出す際に「しまった!逃げろ、ハンス!○○だ!」と言いながらカードを出していたとか(今ではこのフレイバーも女性の喋り方に修正されてしまった)。そんなハンスの愛され方・プレイヤー達の風習をそのまんまカード化したものがこれ、《"Ach! Hans, Run!"》だ。
赤と緑の重量級エンチャント、この時点で嫌な予感がするタイプのカードで、それが『アンヒンジド』とくればなおさらだ。アップキープの開始時に「Ach! Hans, Run!」と叫んだ後に続けざまにクリーチャー名を宣言する。するとライブラリーからその名のクリーチャーが戦場に出てきて、速攻を持って殴ってくる。この怪物はターン終了時に去っていく。《ルアゴイフ》《黄泉からの帰還者》と魔物を呼び寄せてしまう男、ハンスの運命をそのままカード化したものだが...これ、普通にめちゃくちゃ強いカードではないか。「あぁ!ハンス、逃げて!《引き裂かれし永劫、エムラクール》よ!」で決着。似たような効果の《騙し討ち》や《裂け目の突破》のマナコストを考えると、このエンチャントの効果はマナに見合わぬ破格なものである。まあ、銀枠カードについて強い強いと真剣に語ることにあまり意味はないが...。
むしろ、大喜利専用機であるのかもしれない。このカードでわざわざハンスに逃げるように警告して、どれだけしょぼいクリーチャーを持ってくるのかということを試されている可能性はある。フレーズのヤバさとか。「あぁ!ハンス、逃げて!《ありがたい老修道士》よ!」とか。「《ユートピアの木》よ!」「逃げれるやろ!」とか、つっこませたら勝ち。ビシバシぶつかり合う競技マジックに疲れたら、たまにはこういう意味の無い世界で癒されるのもオススメだ。
ハンスは身長180cmにして体重70キロと長身痩せ形。狩りに行くにはまだまだ若く貧弱であるとされ村に見張りとして置いていかれた結果、ルアゴイフの襲撃を受け姉の死に直面している。ただイラストに描かれているハンスは逞しいマッスルボディの所有者であり髭も蓄えており、もしかしたら今ならゴイフに勝てるかもしれないと思わせるナイスミドルの姿だ。おそらくは何処へ逃げても追手の怪物ばかり、逃げ続けているうちに自然と逞しく成長していったのだろう。彼を追う面々は謎のクリーチャーばかりだが、いつかここに描かれていたバケモノが登場してスタンダードで大暴れ、なんてことになったりしたら面白いな。